川崎廣進・工房カワサキの世界

〜The World Of Koushin Kawasaki & Koubou Kawasaki〜

menu

2006年
2007年
2007年ヒマラヤ
2008年
2008年ヒマラヤ


インドではじめてのスケッチ展    2007年04月02日
スケッチ中の私

4月2日から3日間ハイデラバードのハイスクールで私のスケッチ展をすることになりました。色鉛筆。パステル。鉛筆デッサン。水彩画です。

このインドに1年という長期滞在で、それも絵を描くことが最大目的で来たのにほとんどその道の活動は9ヶ月間しなかった。この原因はよく分かる。今までいくらでも絵を描く時間があったにもかかわらず、このインドの気候の様にのんびりとし過ぎてしまった。「まずはこの街を知る事が先だ、いつ又この街に来れるか分からん」と思い、まるで古くなったパンツの紐のように最初から気持ちが緩んでしまっていた。

そしてまた65年もの間台所に立った経験もないのに自炊し始めた。この苦労も私の足を引っ張った。おかげで他人様に食べてもらうのは失礼だが、私やこのインドに多くさんいる牛や家畜の食べ物にしては大ご馳走だ。「俺も1年もたたないうちにこんなに上手く食事が作れるようになったんだ。」と今は自画自賛して喜んでいた分いつの間にかつけが回ってきた。

あんなこんなで自分の怠慢の理由を並べてみた。このパソコンも怪しき犯人だ。私は日本にいるときはパソコンの前に30分と座っておれなかった。まるで麻酔薬みたいに直ぐに眠くなるし重労働をしている時よりも疲れる、いわば私はアナログ人間なのだ。そんな私を変えたのはインドライフだ。わずらわしい言葉の問題を避けるためにどうしても外出も少なめになった。

この9ヶ月間1日の60〜70パーセントは部屋にいる。もちろん2食分の食事を作る時間もある、それだけに狭いワンルームに一人でいるといやでもパソコンに触れる機会が増えてしまう。写真の取り込み、メール送受信、ミクシーの日記、スカイプ、チャット、その他日本の情報が知りたいが為にインターネットで調べる。冷静に考えてみるとこんなに自分を変えることはこれでいいのかな、そして自己満足できるのかな。

無理した覚えはないが何時の間にかこうなってしまった。そこで話を本題に戻すが私が絵を描けない理由がやっと分かった。時間の配分が実に悪い。能力の無い人間が努力もせずに出来ない理由を並べているのは一番みっともない、いつでも自分の能力を知っておく必要があるように思う。こうして軌道を外して生きていると、時間が幾らあっても足りない。

「もうカウントダウンに入ってきたぞ、本来の自分に早く戻そう」と自分をせきたてる。しかし行動とは裏腹にインドスタイルが板について[そんなに急いで何処へ行く]とどこかで聞いたことあるようなセリフを言って自分を嘲笑している自分がいる。まさに面従腹背の自分自身にあきれるばかりである。今は開き直りの生き方をしよう。不足があれば又このインドに来よう、きっと2年目は葛藤のない充実したインドライフを満喫出来ることだろう。



inserted by FC2 system