川崎廣進・工房カワサキの世界

〜The World Of Koushin Kawasaki & Koubou Kawasaki〜

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エネルギッシュなインド    2008年06月26日

インドの労働事情にもう少し触れてみたい。

昨年帰国するとき住んでいた友人宅に少し居ることにしたがここも大変な変わりように目を丸くした。私が住んでいたこんな片田舎の近くまでにも建設ラッシュで至る所に大きな穴を掘って工事をしている。中高年ワーカの男女が、頭上に薄い鉄板で作った皿にレンガやモルタルを盛り上げて女性達が頭に載せ階段を登って運んでいく。20キログラムはあるだろう。

インドの建設業は肉体労働が大半だ。女達のサリー姿は固まって仕事をしているとまるでファッションショーを見ているように華ばなしい。この国はあまり合理化を急ぐと失業者が増え益々貧富の格差が広がる一方になる。大きな国土と人口を抱え、広がる一方の所得格差を縮めようとするのは、国の舵取りする人は大変だ。今世紀世界でも有一の経済発展を遂げつつある注目の国として、どのようにして外観と内面の両輪を有効的に前進するのだろうか。

インド全体が平均的に発展するとしたら大変なエネルギーが必要になる。この一年をとっても車、バイクは3、4割増しに増えてるはずだし、その分所得全体が上がっている証拠になる。特にインド中央部のデカン高原は、ここハイデラバードとバンガロールを含めハイテク産業の集積地になっていて、いわば大インドの心臓部といっても過言でないはずだ。そのIT産業に従事している人達が僅か人口の3%でインド経済の立役者になっている。

それに伴うインフラ整備を余儀なくされ、国土が広い分大量資金を必要とする。発展を妨げない様にしながら実行していくのが政策の要になるでしょう。窓口を大きく開き外資の導入が急務になるでしょうが金を出す者は口も出すのは世の常で、外部より金を投資する人はそれなりの投資効果を計算する。そうする事で雇用、内需も広がり、輸出拡大で外貨も稼げる様な力が身につき、インドの国が豊かになることは願ってもないことだ。

この一年でインドはどの様に変わるか私は楽しみでならない。信号待ちで車窓を叩いて日焼けした細い手を差し伸べる人たちが少しでも減って、地球環境を考えるゆとりが一日でも早く来ることを願ってやまない。



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