川崎廣進・工房カワサキの世界

〜The World Of Koushin Kawasaki & Koubou Kawasaki〜

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雑感あれこれ    2007年04月25日

ハイデラバードで日記を書けるのもあと2回でしょう。こうして渡印以来の日記を振り返ると、取留めない事をたくさん書いてきました。書き慣れた方が読まれたら支離滅裂なところや誤字脱字が多くあり読みにくかったと思いますが、知人や、見知らぬネット上の方々の心温まるコメントをたくさん頂戴し、この長旅を退屈もせず楽しく過ごすことができました。

私がインドのゴミや蟻にこだわった所以も想像を絶する汚さからでした。無表情で無意識なゴミの捨て方が気に触り書かずにおれませんでした。他の理由としてはこの州から一歩も出ず日本でPRされている様な旅行コースはどこにも行けず書くにも書けませんでした。別に遊びに行きたくて仕方ないような気持ちもなく淡々と日々が過ぎてしまいました。

正直申しまして今思えば一年も滞在するなら世界遺産巡りやガンジス川の沐浴風景など、どこにでも観光し少しでも絵に描いて皆さんにご紹介もしたかったが、インドの温暖な気候と時間の観念の薄さに私も程よく酔いインド流思考の虜になったようです。日本と何が違うか?と聞かれても的確な答えすら出てこないが「インド病に掛かった」と言うしか言葉がないのです。

あと一月余りここで過ごしたとしても最後に「1年インドに居て何か収穫がありましたか?」と聞かれたら「たくさんの蟻やゴミを見てきた。おかげでのんびりと万物共同参画社会に入って心身共に洗ってきましたわ」と答えるだろう。収穫を求めようと思うとこれもせわしない。日々、目を逆立てて美しいものだけを選りすぐり、あわただしく歩き回る旅になる、私はそれも好きではない。

私は一人旅に出て、この大国インドを知りたいと思う時に、何に基準を置くのかが問題だと思う。そもそものここにきた目的もあいまいだが特に観光をしたくて来たわけでもなく「インドを知りたい,そしてインド人を描きたい、日本から遠い国インドってどんな国なんだろう」そのような単純な目的が主だった。この1年日本のマスコミも盛んにこの国を話題に取り上げているらしい。ここには未来がありしいては金の卵でもたくさん隠されているのでは?

先日ネットでインドの記事があった。大きな国とは分かっていたが、耕地面積は世界でアメリカに次ぐ2番目らしい。そして灌漑農地面積は世界で1番とか、それだけに山岳地帯が少なく何処でも穀物が作れるということでしょうか。そして人口の7割位が農業に従事しているようです。それでいてIT産業が経済の牽引力になっているなんて不思議な国ですね。水や空気や電力がいまひとつ良くないというのに。

しかし良くないところに今後の発展のヒントがあるやも知れません。IT産業に携わる少数人口の所得より大きく立ち遅れている人口の大半を占めている農業分野を底上げし農業事者の所得の向上に政府を挙げて取組むようです。そうしないと益々所得格差が開く一方で国民大半の政治不信をかい事件や暴動の温床を作ることにもなり兼ねない。以上の様なことが今後のインドの政治の課題になるのではないでしょうか。

こんなインドをしばらく見ていたいな。外から上辺だけを見るより内側から見ていたい。観光なんていつでも出来るし後ほど町が美しくなるに違いない。こうしてインド病にかかると「急ぐ」と言う気持ちが沸いてこないのは私だけだろうか?  無知で来た私だが今幸せな楽園にいるような錯覚にとらわれる。隣の芝生は青くても、隣りは隣り私は私だ。


集合1 集合2

空港にて


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