川崎廣進・工房カワサキの世界

〜The World Of Koushin Kawasaki & Koubou Kawasaki〜

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街は賑わう黄昏時    2008年07月30日

街に明かりが灯る頃、どこからともなく明かりを求めて人が集まってくる。

特に週末にもなると一つの塊にも見え、その喧騒のすごさを上から写真を撮って皆に見せようと3階まで上がったが上手に撮れず諦めたが、さすがインドならではの光景である。店が立ち並ぶ所にはきまって夜光虫のように群がってごった返すのである。人と車と騒音はインドの人口の多さを物語っている。ここスリナガルも比較的商店が密集し、名前の知れたる地域であり、オートリキシャーに何処から乗っても「スリナガル」と言えばすぐに料金を提示してくるほどに知れている。

先日満員のバスに乗ってセカンダラバードの知人に逢いに行った時、降りる所が分からず、つい乗り越して終点のセカンダラバード迄行ってしまった。そこは列車やバスの終着駅でもあり、昼下がりの駅前は車と人でごった返していた。一昨年ヒマラヤトレッキングの帰り、デリーから24時間かかって夜の9時ごろ特急寝台がここに到着した。重いリュックを担いでバス乗り場に行こうとしたが、スリナガル行きのバス乗り場が分からず右往左往していると、オートリキシャーの運転手のひつこい客引を払いのけ、人ごみをかき分け急いだのを思い出した。

このハイデラバード市には小駅を除いて2つの大きな始発駅がある。一つは中心のハイデラバード駅、もう一つはこのセカンダラバードである。いずれも昼夜を問わず人の山であり、駅の構内外には寝ている人、物乞い、お客の荷物を担いだり、手押し車で荷物を運ぶポーター達、そして沢山の乗降客、買い物客等々とその喧騒ぶりはいずれの駅でも同じだが、ただ唖然とするばかりであった。「インドって国は人間ばかりだな〜」と何度も言葉にならない声でつぶやいた。

そんな人ごみの中には決まって物乞う姿があちこちで見かける。若い男女や子供も多いが意外と老人が多いのに驚いた。薄汚れた白い上下の着物(パンチャ)を膝上までたくし上げ、長い杖をつきながら道行く人たちに手当たり次第に手を差し伸べながらのんびり歩く姿は、旅行者ならずとも何処でも見かける光景である。背筋が伸びて背が高く、まるで黒い棒のような細い手足が特徴である。

一昨年デリーで私に「何か恵んで」と手を差し伸べてきた中年女性がいた。私は手を振って「ダメ」と言う振りをした時、たまたま警察が来た。その時の逃げる素早さは見事な俊敏さだ。物もろくろく食べていない様なけだるい表情は演技だったのか?  私は今までその様な人には一切あげないことにしている。理由は限が無いし演技もあると思っている。

10億の人口を抱えるインド人の少数の上層階級の人々は平均して男女とも贅肉たっぷりで恰幅が良い。あとの大多数はスリムでいい体をしている。何と言っても背が高い。男子トイレに入るなり、この用便高さを見ていると我々は東洋の文明国家と鼻を高くしたいが、それも逆である様な錯覚すら感じる事もある。別に反対でも私に何の支障も無いはずだが、時折私の脳裏をかすめる差別的考えやを深く恥いた。

左中央分離帯  電気専門店街  右朝食の屋台



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